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不動産会社の“印象”で選ばれる時代へ──ブランディングの基本と成功の秘訣

更新日:1 日前



はじめに|「どんな会社か」が問われる時代に、まず取り組むべきこととは?

 

「ブランディングって言葉はよく聞くけど、何から始めたらいいか分からない」そんな不動産会社の経営者やご担当者の声を、私たちは日々の現場で多く耳にします。


かつては、物件力や営業力さえあれば入居者が自然に集まる時代でした。しかし現在、不動産業界は大きな転換期を迎えています。


  • ポータルサイトで物件情報が“横並び”に見られるようになった

  • 入居者のニーズが「価格・広さ」から「ライフスタイル・価値観重視」へと変化

  • 少子高齢化・人口減少により競争が激化


こうした背景の中で、いま入居者やオーナー、求職者が注目しているのは、「どんな会社が提供しているのか?」という“企業そのものの印象”です。



🧭 いま求められているのは、「物件で選ばれる」から「会社で選ばれる」へのシフト


もはや「良い物件を出していれば売れる」時代は終わり、「この会社なら安心できそう」「雰囲気がいい」「信頼できそう」といった、企業そのものの“印象”が選ばれる理由になっています。


本記事では、そんな時代に必要な「不動産会社のブランディング」について、以下のようなステップでわかりやすく解説していきます👇



✔ ブランディングの定義と本質

✔ 不動産業界におけるブランディングの必要性

✔ 社名やロゴが与える印象の大きさ

✔ 成功に欠かせないターゲット設定の考え方

✔ クラスコの実践事例

✔ 今日から始められる“最初の一歩”



自社の魅力や想いが「うまく伝わっていないかもしれない」と感じている方にとって、実践につながるヒントが詰まった内容になっています。ぜひ最後までご覧ください。




ブランディングとは何か?

 

──「何者か」を明確に伝える力


「ブランディング=ロゴを変えること」と思われがちですが、実際はそれだけではありません。

ブランディングとは、企業やサービスが“何者か”を明確に伝え、相手に印象づける取り組みのことです。



✅ ブランドの本質は「内面の明確化と一貫した発信」


単なる“見た目のリニューアル”ではなく、以下のような内面的な要素を外部に伝える仕組みづくりこそが、ブランディングの本質です。

本質的に問うべきこと

具体例

何を大切にしている会社か?

「地域のつながりを重視」「社員と共に成長する」など

誰に価値を届けたいのか?

単身者・子育て世帯・投資家・オーナーなど

どんな印象を持ってほしいか?

信頼感・親しみ・専門性・誠実さ など



💡 「ブランド体験」はあらゆる接点に存在する


ブランディングはロゴやキャッチコピーに留まらず、顧客が接するすべての体験がブランドを形づくる要素になります。

タッチポイント

ブランドとしての役割

ロゴ・社名

第一印象を左右する“顔”

名刺・パンフレット

会社の“雰囲気”を届けるツール

ホームページ・SNS

メッセージと世界観を伝える窓口

店舗・接客対応

ブランドの“人格”を体験する場



🏘 不動産業界における“らしさ”の違い


同じ不動産会社でも、目指す方向によってブランドは大きく異なります。


  • 地元密着で親しみやすい雰囲気を重視する会社

  • 提案力とスピードで勝負する都市型不動産会社

  • 管理体制の安心感を前面に出す不動産管理会社


いずれも正解。だからこそ、自社がどの立ち位置で、誰にどう見られたいのかを明確にすることが、成功の第一歩なのです。


ブランディングの力は、価格や物件力だけに頼らず、「この会社にお願いしたい」と思わせる“感情的な信頼”を生み出すことにあります。

そしてそれは、結果的に次のような企業資産の向上にもつながります👇


  • ✅ 顧客からのリピートや紹介

  • ✅ 求職者からの共感・採用力の向上

  • ✅ 社員のモチベーション・誇りの強化




不動産業界におけるブランディングの必要性とは?

 

──“物件”だけでは選ばれない時代に


現在、日本には12万社以上の不動産会社が存在しています(2023年時点)。

また、SUUMOやHOME’Sといったポータルサイトでは、物件情報が横並びに表示され、「誰が提供しているか」が見えづらいのが現実です。



🌀 変化する市場環境が「会社の印象」を重視する時代へ

業界の現状

課題

ブランディングの役割

ポータル依存の集客

情報が均質化し、差別化が困難に

“会社の信頼感”が選ばれる理由に変わる

少子高齢化・人口減少

顧客数が減少し、獲得競争が激化

明確な価値訴求が必要不可欠に

顧客ニーズの細分化

一律の物件・訴求では響かない

ペルソナごとにブランド設計が必要に

特に近年は、以下のようなライフスタイル重視のニーズが急増しています。


  • ペットと暮らせる環境

  • テレワーク対応設備

  • 子育てしやすい周辺環境

  • シェアハウスや趣味特化型の暮らし方


こうしたニーズに対し、ただ物件を紹介するだけでは届きません。「その価値を理解している会社」として見られることが、ブランディングの力なのです。



🧭 今、不動産会社に求められている“信頼の3要素”

要素

具体例

ブランド戦略での表現方法

安心感

顧客の不安を払拭できる体制・対応力

顔の見える担当者・丁寧なSNS運用など

地域性

地元との関係性・歴史・貢献

地域イベント参加・地元情報の発信

一貫性

ビジュアル・言葉・体験の統一感

ロゴ・Web・パンフ・接客トーンの統一

「チラシを出せば反響が来る」時代から、「この会社に任せたい」と思わせる理由をつくる時代へ。

ブランディングとは、単に目立つための装飾ではなく、「どこにでもある会社」から、「選ばれる会社」へと進化するための戦略です。




社名やロゴが与える印象は想像以上に大きい

 

──「はじめまして」の瞬間に差がつくブランド力


ブランディングの中でも、「社名」や「ロゴ」は企業の“顔”としての役割を果たします。

顧客がその会社に初めて触れる瞬間──


  • 通りすがりの店舗看板

  • ポータルサイトに表示された会社名

  • 名刺交換のタイミング

  • SNSやWebページのロゴや配色


これらはすべて、「第一印象」=信頼の入り口です。



💡 第一印象の影響力は、想像以上に大きい


心理学では「初頭効果」と呼ばれるように、人は最初の印象によってその後の評価を大きく左右します。不動産という高額な商品・長期的な付き合いが前提の業界において、**「この会社、大丈夫かな?」「ちょっと古そう…」**という印象は、致命的な離脱につながりかねません。



✅ 社名・ロゴによる印象の違い(事例比較)

見た印象

顧客の受け取り方

❌ 昭和風の長い社名/古い書体

時代遅れ・堅苦しい・不安感

「古そうな会社、大丈夫?」

✅ シンプルで洗練されたロゴ/短く覚えやすい社名

モダン・信頼感・印象に残る

「センスもあるし安心できそう」



🔗 タッチポイント全体で“統一感”を持たせることが重要


ロゴや社名だけでなく、顧客と接するすべての情報発信に一貫性があるかどうかが、ブランディング成功の鍵です。

タッチポイント

チェックすべき点

ホームページ

ロゴ・色使い・文章のトーンが統一されているか

SNS(プロフィール・投稿画像)

投稿ごとの世界観がバラついていないか

店舗看板・パンフレット

オフラインの印象がWebと一致しているか

名刺・営業資料

ロゴや書体がブランドイメージに合っているか

「せっかく良いロゴをつくっても、ホームページは古いまま」「SNSではスタッフの個性が強く出すぎて、会社のイメージとズレている」

そんな状態では、“らしさ”は伝わらず、逆に信頼を損なう結果になってしまいます。

つまり、社名やロゴは単なるデザイン要素ではなく、“信頼の土台”を築くための戦略的ツールであるという意識が、不動産会社にもますます必要とされているのです。




成功するブランディングに欠かせない「ターゲット設定」

 

──“誰に届けるか”でデザインも言葉も変わる


どれだけ魅力的なブランドを設計しても、誰に向けたものなのかが曖昧では、響きません。


ブランディング成功の鍵は、「誰に選ばれたいのか?」を明確にし、そのターゲットに合わせた見せ方・伝え方を設計することにあります。



🧭 不動産会社が向き合う3つの主要ターゲット

ターゲット

関係性

ブランディングで意識すべきこと

入居者

物件を選ぶ顧客

信頼感・暮らしのイメージ・安心できる雰囲気

オーナー

管理や運用を依頼する顧客

経営感覚・提案力・堅実さ・安心感

求職者

一緒に働く可能性のある人材

ビジョンの共感・カルチャー・成長環境の提示



🎨 ターゲットによって“好まれるデザインや印象”は異なる

ターゲット

好まれる印象・トーン

表現の方向性

若年層(20〜30代)

モダン・ポップ・親しみやすさ

動きのあるロゴ、柔らかい色味、キャッチーなコピー

ファミリー層

安心感・やさしさ・地域とのつながり

落ち着いたトーン、写真多め、地域紹介コンテンツ

オーナー

誠実さ・信頼感・知的さ

スタイリッシュなデザイン、実績やデータ重視

求職者

働く楽しさ・ビジョンの共感

社員の顔が見える発信、社内カルチャー紹介

たとえば、入居者向けSNSで「オーナー向け資産運用セミナー」を告知しても響きません。同様に、オーナー向け提案書がポップすぎても不安を与えてしまいます。

ターゲットごとに、「共感を得やすいデザイン」「信頼につながる言葉」が異なることを意識し、チャンネルごとにメッセージを最適化することが必要です。


ブランディングとは、「全員に伝える」ではなく、「この人に届けたい」を明確にすることから始まるのです。



クラスコの事例に学ぶブランディング

 

──社名変更から始まった、印象改革と

企業成長のストーリー


クラスコも、かつては「タカラ不動産」という社名で地域に根ざした営業を行っていました。しかし、業界環境の変化とともに、次のような課題を感じるようになっていました。


  • 旧社名では“古い不動産会社”という印象を持たれやすい

  • 若年層や求職者に、企業のイメージが伝わりにくい

  • ブランドの世界観が発信ツールごとにバラついていた


そこで、企業の印象そのものを再設計するために、ブランディングプロジェクトを始動。以下のような段階的な取り組みを進めました。



✅ ブランディング再設計のステップ

ステップ

実施内容

目的・効果

① 社名変更

「タカラ不動産」→「CRASCO」へ

モダンな印象、覚えやすさ、展開性を強化

② ロゴ刷新

シンプル・スタイリッシュな新ロゴへ

視認性と印象度を両立

③ MVV再設計

ミッション・ビジョン・バリューを再定義

社員の共通指針・採用の基軸に

④ 各種ツール統一

名刺/Webサイト/パンフレット/店舗内装まで統一

一貫性あるブランド体験を実現

⑤ SNS発信の強化

ブランドトーンに沿った情報発信へ転換

顧客・求職者からの共感を獲得

結果として、入居者・オーナー・求職者それぞれから「印象が変わった」「信頼できそう」との声が増加。採用活動では企業説明会での反応が劇的に改善され、応募者の質と数が大幅に向上しました。


💬 ブランディングは、見た目だけで終わらない


ロゴを変えたから成功したのではありません。“会社の想い”を明確にし、それを一貫して発信し続けたことが、選ばれる会社になる原動力になったのです。





今日から始められるブランディングの第一歩

 

──“完璧”よりも、“統一”から始めよう

ブランディングは、決して一夜で完成するものではありません。しかし、**「まずは何から手をつければいいか分からない」**という方にこそ、知ってほしいのは──

“統一感”を持たせることが、最も効果的な第一歩になるということです。


✅ まず見直したいチェックポイント

チェック項目

見直しのポイント

ロゴ・配色・書体

すべての媒体で統一されているか?(Web・名刺・SNSなど)

キャッチコピーやメッセージ

ターゲットに一貫して届く言葉になっているか?

社員の言葉づかいや接客

ブランドイメージに合ったトーンで対応できているか?

SNSやブログの投稿内容

発信に“会社らしさ”がにじんでいるか?

たとえデザインが洗練されていなくても、「統一されている」ことが、安心感と信頼感を生み出します。



🛠 クラスコは「現場から浸透するブランディング支援」を行っています


「ブランディング会社に頼んだが、社内に浸透しなかった」「ロゴはおしゃれになったけど、社員はピンときていない」──そんな声に応えるべく、私たちクラスコは、不動産会社としての実体験をベースに、現実的なブランディング支援を行っています。


  • 不動産業界特有の課題や商習慣に強い

  • デザインだけでなく、採用・集客・営業の“使えるブランド”へ落とし込み

  • 現場社員と一緒に作る、浸透型の仕組みづくり



📩 お気軽にご相談ください

「まずは話を聞いてみたい」「会社に合った形でブランドを作りたい」そんな方は、ぜひ下記からお気軽にご連絡ください!



ブランディングとは、未来への投資です。「選ばれる会社」へ、今日から一歩踏み出してみませんか?

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